シンカー無芸帳 Ver.4

  日々の雑事を綴る日記でございます。

もう戻らない日々

ぐっすり眠ってからの目覚め。

隣りの部屋の祭壇を見て、父がもう居ない事をあたらめて思う。

ろうそくをともし、線香を立て、朝の挨拶。

九時過ぎたころに来客。

ご近所の人とかが焼香に来てくれた。

姉と父との思い出を語り合う。

繰り返し聞く、父のこの数年の様子。

姉は振り返るように何度も何度も話をする。

私はそれを知らない。

一番身近だった姉は、どんな思いで話していたのだろう。

お客が帰ってから、ふたりであれこれと片付け物。

あっという間に時間が経つ。

やることはもう無いから帰っていいと、姉は言う。

ひとりで大丈夫?と、最後まで訊けなかった。

ひとりで父の世話をして、結果最期を看取ってしまった姉。

言葉をかけることもできない、非力な我が身。

親戚が揃って口にした「帰ってこないのか」と。

あの家にひとりで住む姉を考えると、実家に帰るのもありだと思う。

もうたった二人の家族になってしまったのだから。

お互いにもう若くない。そして独り身。

なにがあるかはわからないし、何かあってからじゃ遅すぎる。

今回の父のように。

自由に自分勝手生きてきたつけか回ってきてる。

姉ちゃん、ごめん。