久々に読書感想文など。
田中ロミオさんの新刊『灼熱の小早川さん』を読了。
期待にたがわぬ内容でとても満足でした。
そうそう、田中さんに求めているのはこーゆーのだよなー。
田中さんを意識したのが既刊『AURA』でしたので、
どうしてもこの手の味を求めてしまうのですよ。
未読の方々のために内容については触れませんが、
いろんな意味で怖い話でした。
基本はボーイミーツガールな良い話なんですが、
それを描くための舞台装置が実にアレでして、
うすら寒いものを感じました。
あれはわかる、すごく理解できる。
一応なり社会に出ているものですから、他者とうまくやり過ごすためには
必要悪だな分かっているけれど、それをはき違えているというか、
偽装に使っている状況を目のあたりにしていると、
吐き気もよおすくらい嫌な気分になります。
孤立しないためにはそれを受け入れないといけないって云うのは、
なんつーかおかしいよねぇ。
今の職場でそれに近い雰囲気があるんで身につまされた。
いいお話だったんですけど、欲云えばもう少しボリュームが欲しかった。
300ページオーバーは欲しかったなぁ『AURA』みたいに。